ミックスダウン

ミックスダウンとは簡単に言えばバラバラに録音してある音をひとつのステレオトラックにまとめる作業のことです。「そんなん録音したWAVファイルを同時に再生して録音するだけじゃん」と言われそうですが、ジューサーミキサーでミックスジュースを作る時と同じで、果物の種類や砂糖やミルクの分量を同じにしても、いつも必ず同じ味とは限らないように、果物の甘さや酸っぱさやミルクの種類なんかで微妙に違うのと同じなんですよこれが。もっとも所詮ネットで流すのが目的だからそこまで音質には拘らないよって言ってしまえばそれで終わりですけどね。でもこういったところを意識して丁寧に作った楽曲とそうでないのでは、たとえPC付属の安物スピーカーで聴く低ビットレートでの再生でもその違いは分かります。ここはひとつ高級志向のお父さんには是非とも最も凝って頂きたいところです。

では何を注意すれば良いのかと申しますと、各音楽ジャンルでそれぞれ異なりはしますが、基本的には音場作りと音の定位です。音場作りとはその楽曲を目をつぶって鑑賞した時に実際に音が鳴ってる場所(例えばPCのモニターと両側のスピーカーの前)ではなく、大きいステージであるとかホールであるとかそういった場所で聴いているような音の鳴り方にどうやってさせるかという事で、サラウンドシステムなんかが擬似的にそういった音場を作るシステムであると理解すればよいです。音の定位とはドラムとベースとリードボーカルは中央から聞え、ギターやキーボードは左右からというように音が聞えてくる方向のことを言います。

楽曲を作っていて良くあることですが、欲張って色んな音色を使いすぎた結果、音同士が干渉しあって結局、せっかくのステレオ録音なのに全部中央からしか聞えてこないということが往々にしてあります。またひとつの楽器音がフラフラと左右に動いて聞えたり(特殊な効果を狙った場合は除く)、いまひとつリズムに合わないディレイ(例:場末のスナックで酔っ払いオヤジが熱唱するカラオケ)なんかがある場合は音の定位がぼやけてしまいます。ミックスする際の個々のトラックがきれいに録れていれば、こういった点を意識して丁寧にそれぞれのトラックに微妙なエフェクトをかけ、全体にリバーブを施すことにより、プロの音源のような広がりのあるクリアな音が出来上がるのです。

このステップは実際に何度も失敗の経験を重ねて習得するものですので、決して一発では上手く行きません。短気をおこさずにじっくりと作業しましょうね。まずはシンプル・イズ・ベストの精神で始めると良いです。まあこんなんだからプロのスタジオエンジニアって職業が存在するのも頷けますね。

さあ、なんとかここまでの作業でやっとWAVファイルが完成しました。何度も繰り返し聞いてみて気になるところが無いかチェックしましょう。どうですか、なかなか良く仕上がったんじゃないでしょうか?まずはいままでひとりで部屋にこもりっきりで全く構っていなかった為に、「私と離婚してパソコンと再婚しなさい」とまで言っていた奥さん(※こ、これもうちだけでしょうか?)や「お父さん何してるのぉ??」と気になってしょうがなかったお子さん達に聴かせたいところですが、ちょっとお待ちください。仕上がった曲は確かに良く出来てはいるとは思いますが、音がちょっと小さくないですか?前にも書きましたが、デジタル録音はオーバーロード(過入力)がタブーですので、アナログ録音より若干録音レベルが控えめになるようにハードウェアの方でも設定されています。ついては、このままでは市販されているCDなどの他の楽曲と同じボリュームで聴くと、音が小さく聞えることが多々あります。これはXGWorksなどに付属している「TWE」や、VECTORなどでフリーで配布されている波形編集ソフトなどで「ノーマライズ」という作業をすることによりレベルを最高まで持ち上げることが可能です。※詳しくはソフトの説明書をご参照下さい。

どうですか、「ノーマライズ」したことによって音が大きくてはっきりと聴こえるようになったと思います。前の章でもご説明しましたが、この段階でもしもボーカルがバックの音に埋もれてしまっているようでしたら、もう一度ボーカルを録り直すしかないのですが、もしもお父さんに余裕があり、この次の過程で更にプロの仕上がりお望みならば、もっとハイレベルな「マスタリング」という作業過程をすることにより、聴きやすい音に調整を出来ます。最近、市販されているPOPSやROCK系のCDはとても音の大きなものが目立ちますが、これは「マスタリング」という過程のなかで、全体の音圧を最高値までアップさせる処理がなされています。では上の「ノーマライズ」とどこが違うかと言うと、そのファイルの中で最高の録音レベルをデジタル録音での最高再生可能レベルまでもちあげて音を均等に大きくするエフェクトが「ノーマライズ」、他の音に埋もれてしまうような小さな音のレベルは持ち上げて、大きすぎる音はクリアにして控えめに、全体的な音のバランスや音質、音場などを微調整して音圧をアップさせるのを「マスタリング」と呼びます。※正しくは、「プリ・マスタリング」が上記の作業で、「マスタリング」とはCDプレスをする際の工場での原版製作のこととプロの現場では区別するそうです。

最近は、こういった環境もプロの現場だけではなく、アマチュア・ミュージシャンでも「ファイナライザー」とも呼ばれるデジタル・エフェクターを使って処理される方も増えて来ました。有名なところでは、イタリアのIK Multimedia Production という会社が開発・販売している「T-Tacks24」がありますが、アマチュアにはちょっと値段高すぎ...※でもその効果はありそうなのでのり坊も欲しい!欲しい!

 


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